湿潤療法体験談「頭のパックリ傷が痛みなく、きれいに治った」

常識を疑うことも
たいせつ

これまで広く行われてきた「医療の常識」が、根底からひっくり返される。
何度かこうした現象を目にしてきて、「やれやれ、あれはなんだったんだろう」とがっくり来ることは多々ありました。
それにしても、消毒薬とガーゼを使わない「湿潤療法」については、ほんとうに驚きました。
子どもたちが大人になった頃には、「お母さんは傷を消毒していたんだ! 痛いし、あり得なーい」なんて言われるかもしれません。
そう、後世の科学的研究ではあり得ないような治療法が、過去には常識として、当然のこととして行われていたこともあるのです。
思考停止せず、常識を疑うことは、自分の体と心を守るうえで、とてもたいせつだと思います。

身近なもので安価・安全にできる
湿潤療法

正しい湿潤療法のやり方や、傷が治るしくみについては、夏井 睦医師(なつい キズとやけどのクリニック院長、元練馬光が丘病院傷の治療センター医師)のサイトを参照してください。

新しい創傷治療
http://www.wound-treatment.jp/

ここでは夏井医師の著書『キズ・ヤケドは消毒してはいけない』の内容をかいつまんで、私自身の個人的な体験とともに紹介します。
まず、湿潤療法のやり方を大ざっぱに記載しておきます(あくまでも個人的の備忘録なので、ぜひ夏井医師のサイトや著書を参照してください)。

 ケガをしたら、傷口の汚れと血液を水道水で洗い流す。
  ヤケドをしたら、痛みが引くまで、流水で冷やす。最大10分。10分たっても痛むときは、次の工程に進む。
  水ぶくれができたときは、水ぶくれをハサミで切り取る。
 傷・ヤケドの水分を、タオルやティッシュで拭き取る。
 食品包装用のラップに、白色ワセリンを薄く塗り、傷・ヤケドにかぶせて、テープで留める。必要があれば、包帯で巻く。
  白色ワセリンがないときは、サラダ油やオリーブ油で代用する。
  出血しているときは、ラップの上から血が止まる程度の強さで圧迫する。強く圧迫すると、逆に出血が止まらなくなる。「傷口より心臓に近いところを縛る」は厳禁。
 傷口からジュクジュクした液が出るときは、1日1~3回、傷の周囲の皮膚を水道水で洗い、2~3の工程を行う。
 傷口がふさがれば、湿潤療法は終了。およそ3日くらいで傷は治る。

これまでは、ケガをしたら傷口をオキシドールなどで消毒し、ガーゼを当て、黄色の油紙をかぶせ、テープで固定していました。
ケガをしたらまず消毒。
これが常識でした。
ところが、夏井医師によると、傷に消毒薬を塗ることで、人体の細胞のたんぱく質が破壊されるのだそうです。
消毒薬は、細菌だけでなく、私たちの細胞も同時に攻撃しているわけです。
傷に消毒薬を塗ると痛いのは、細胞がやばい、つまり体に望ましくないことが発生している反応になります。
加えて、傷にガーゼを当てると、ガーゼに食い込むようにかさぶたがくっついてしまいます。
ガーゼをむしり取るとかなり痛いし、傷跡も残ります。
痛いことは、わざわざやる価値はないのです。

保育園の看護師も
湿潤療法を採用していた

治療のポイントは、傷を乾燥させないこと。
「乾燥させないと、傷口で細菌が繁殖して、化膿するのではないか」と思う人が多いでしょう。
実際は、傷口に細菌が存在することが、必ずしも、化膿を引き起こすわけではないようです。
そのメカニズムは、夏井医師のサイトや著書に書かれていますので、ぜひご自分の目で確認してください。
そもそも、私は仕事を通して、医療系の新ネタとして湿潤療法を知りました。
さらに、子どもたちが通っていた保育園の看護師が、熱心に湿潤療法を勧め、子どもたちのケガは湿潤療法で対応していたていたので、やはり効果的な療法なのだと納得しました。

私自身、過去に大病院で受けて傷の治療で、痛い目に遭っていました。
30年ほど前になるでしょうか、高校生だった私は自転車に乗っているとき転んでしまい、ひざがえぐれるようなケガをしました。
高校のそばにあった、地元で有名な病院を訪ねたところ、消毒とガーゼで処置されました。
その後の、かさぶたがくっついたガーゼをはがすのが、痛いこと痛いこと。
30年前のことなのに、まだ覚えています。
しかも、傷跡がぐにゅぐにゅと今も残っているのです。
私も年を取りましたので、今は気にしていませんが、大学時代は傷跡がちょっとしたコンプレックスでした。
子どもたちには、私と同じ体験をさせたくないと、つくづく思います。
最近、学童保育の時間に娘が頭を設備にぶつけて、皮膚が2センチほどパックリ裂けるようなケガをしました。
頭皮のケガなので出血が多く、学童保育の指導員もおろおろとして、「病院に行ったほうが……」と話していました。
私はすぐに駆けつけられたので、娘はケガをタオルで圧迫されている状態で待っていました。
傷を見ると、けっこう深い。
しかし、病院に連れて行けば、髪をそられ、麻酔の注射をされて、縫合されることでしょう。
頭をぶつけた痛みと、出血のショックで泣いている娘に、さらに痛みを与えるのはやるせないと思い、湿潤療法を行うことに決めました。
私が行ったのは、うろ覚えの湿潤療法で、かなり大ざっぱです。
まず、出血が落ち着くまで、タオルで圧迫。
次に、傷口の周囲3ミリ程度の範囲の髪を、根もとからハサミで切る。
傷口に刺激を与えないように、たっぷりのワセリンをゆっくりと塗る。
余分なワセリンをゆっくりとぬぐい取り、傷の大きさに切ったラップを当てる。
その上から、日本手ぬぐいを巻く。
浸出液が流れてきたら、手ぬぐいとラップを外し、汚れをぬぐい取って、改めてワセリンを塗りました。
夜の時点で出血が止まったので、シャンプーを使わず、頭髪を洗いました。
翌朝は、傷口にキズパワーパッドを貼って登校。
体育の時間も元気に走り回っていたそうで、痛みはなかったようです。
娘本人は、キズパワーパッドよりもラップのほうがお気に入りで、帰宅後はワセリン・ラップ・手ぬぐいで過ごしました。
ケガの2日後、傷がしっかりとふさがっていたので、なにも処置はしていません。
ちなみに家族の者は、私が湿潤療法を行うと決めていたこと、保育園で湿潤療法が採用されていたこと、娘が痛がっていなかったことで、特に反対しませんでした。
しかし、「消毒しないなんて、考えられない……」とは、何度も口にしていました。
娘の傷が化膿せずに治ってしまったので、効果を認めてはいますが、それでも信じられない気持ちでいると思います。

やっぱり皮膚は
あまり洗わないほうがよい

余談ですが、夏井医師の著書を読んで、できるだけ皮膚を洗わないほうが健康な状態を保てると改めて思いました。
皮膚には細菌が棲んでいて(皮膚常在菌)、その数を1兆個を超えているのだそうです。
皮膚常在菌が病原菌の侵入を防いでいるのですが、洗い過ぎや消毒は常在菌の生態系を乱してしまいます。
結果、炎症が起こりやすい・敏感・乾燥しやすい皮膚になります。
皮膚を洗い過ぎると、清潔どころか、不健康で肌荒れが発生しやすくなるということです。
これも現代の医学では「常識」外れの話でしょうね。
私たちの体と、皮膚や腸などの常在菌との共存共栄の関係について、研究が猛スピードで進んでいます。
近い将来、効果はあっても今は非常識とされている療法が、メインストリームになっているかもしれません。
最後に、夏井医師の著書に書かれていた虫刺されへの対処法を大ざっぱに記載しておきます(あくまでも個人的の備忘録)。
○蚊 患部に湿潤療法
○ムカデ 患部を熱いお湯につける
○毒蛾、毛虫 患部をよく水洗いしてからステロイド軟こうを塗る
○ハチ 過去に刺された経験がある、キイロスズメバチなど大型のハチに刺された→すぐに病院
    軽く刺されてちょっと痛い程度→針が残っていたら爪ではじき飛ばしてから、患部にステロイド軟こうを塗って冷やす
○マダニ 引っ張り取ったりせず、そのまますぐに病院
犬や猫など動物にかまれたり、引っかかれたりしてケガをしたときは、病院を受診しましょう。
歯や爪などにいる細菌が、かまれた人の皮膚の奥深くに入り込み、化膿する危険性が高いためです。
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