夏こそ冷え取り:「エアコンの使用を控えなければならない」「冷たい物を一切摂取してはいけない」は誤解

 「寝ているときにエアコンを使用してはいけない」と思い込んでいる人は少なくありません。これは誤解です。
 夜間、汗だくで目覚め、寝付けなくなるほうが、エアコンを使用し続けるよりも体への負担は大きくなります。体温調節で自律神経が酷使されるからです。
 世の中には「汗をかくことは健康によい」というイメージが強いのですが、服がぐっしょりと濡れるほどに汗をかいているのは自律神経に負担をかけている証拠と考えましょう。
 汗をたくさんかいたら脱水症を起こしやすくなります。すみやかに水分を摂取してください。また、濡れた服は体温調整を妨げるので、乾いた服に着替えるようにします。
 そして暑くて寝苦しい夜になりそうなときは、汗をかかない程度の温度にエアコンを設定して、一晩中つけっぱなしにしましょう。設定温度を下げ過ぎないように注意してください。
 エアコンをつけて寝ていると、おなかや足だけが冷える人がいます。その場合は、腹巻きや足首ウォーマーでカバーするといいでしょう。
「汗をかかない温度」を心がけよう


 冷たい物についても「飲んだり食べたりしてはいけない」と決めつけている人がいます。こちらは程度の問題です。
 下痢やガス腹、食欲不振が現れているときは、消化器が冷えている可能性があるので、冷たい物を取り過ぎていないか見直す必要があります。
 しかし、特に体調に問題はないのに、暑い日に我慢してまで熱い飲み物や食べ物を取る必要はありません。
 私がまだ20代の頃に、漢方の大家の連載を担当していました。漢方についてまったく知識がなかった私は、あれこれと本を読んで勉強をしてから取材に臨みました。「やっぱり漢方のエキス剤はお湯で飲むんですよね」という質問を私がしたところ、先生が苦笑いしながら答えました。
 「そう決めつけることはありません。水でもいいしお湯でもいい。飲みたいように飲めばいいじゃないですか」
 その後、漢方医である大学教授を取材する機会がありました。「やっぱり漢方薬は食前に飲まなければいけないんですよね」という質問を私がしたところ、教授は涼しげに答えました。
 「そう決めつけることはありません。西洋薬の場合は1日3回と決まっていますが、葛根湯については『悪寒がする。熱が上がってきたんだ』と感じたら、何回でも飲んでいいんですよ。そのほうが効果があります」
 知識ばかり詰め込んで頭でっかちになっていた私に、なんでもマニュアル化しないようにと先生たちが諭してくれたのだと思います。
 そもそも、人間の体は理屈だけでできているわけではありません。こうだと決めつけず、自分の体調を探りながらそのときに欲している物を取ればいいでしょう。
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