作文は、服の整理と通じる作業

「あー、もう着る服がない!」
朝、服がパンパンに詰まったクローゼットの前で頭を抱える女性は多いと、スタイリストや整理アドバイザーから聞きました。

目の前にはたくさんの服があるのに、「着る服がない」と感じるのは、コーディネートが思い浮かばないからです。
原因は、服が整理されていないこと。
とりあえず入れてしまえと、クローゼットや引き出しに服を詰め込むと、頭が混乱するようです。
さらに、「服がないから買ってしまえ」と新たに購入し、クローゼットの混雑度が増し、頭がさらに混乱するという悪循環に陥ります。
混乱した頭でちぐはぐなコーディネートをしてしまい、鏡を見てガッカリ。
服選びがすっかり嫌になるでしょう。

上記のような記事を私は過去に書いたのですが、作文と共通点があるのです。

「あー、もう書くことがない!」
頭の中にアイデアはあるのに、数行書いただけで動きが止まってしまうケースを私は見てきました。
原因はやっぱり、知識が整理されていないこと。

ウチの息子の場合は、書字に困難さを抱えていますが、読むのはまったく苦になりません。
それどころか、本を読むのは大好き。
頭の中には、本から得た知識だけはたくさんあります。
しかし、知識の分類ができていません。
結果、文章としてアウトプットできないばかりか、通常の会話でも文脈を無視してしまいます。
「たくさん話しているのに、どんな内容かさっぱりわからない」ということも珍しくありません。

作文が書けない状態の脳をクローゼットにたとえると、夏物も冬物も、カジュアルも礼服も、全然分類せずにパイプにひっかけて、服がシワクチャの状態。


クローゼットを片付けるために、スタイリストや整理アドバイザーはまず「いらない服は捨てなさい」とアドバイスします。
自分で片づけられないのならば、プロに頼んで服を捨てて整理してもらうこともできます。


一方、脳は、他人がズカズカ踏み込んで「いらない知識は捨てなさい」と勝手に処分できません。
捨てるに捨てられないのが、無駄知識。
ですから、ひたすら知識を整理することが重要なのです。

世の中には情報の整理術などの本がたくさん流通していて、私もずいぶんと読んだものです。
こうした整理術は、子どもには通用しません。
ですから、子どもが知識を整理するには、自分の体で経験することが早道だと私は考えます。
脳内で「あーでもない、こーでもない」とゴチャゴチャ悩むより、自分の五感と知識や情報を結びつけて分類していくわけです。

作文教室で行っている「自分物差し」は、作文の一連の作業「見る・読み取る・感じる・思い出す・結びつける・表現する・変換する・書く」の「思い出す・結びつける」を補強しています。
脳内で作り上げた妄想よりも、体を使って得た経験のほうが子どもにとって思い出すのが簡単です。

作文教室では、「自分物差し」「メモ取り」を繰り返し行っていく予定です。
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