1人ではやっていけない

当たり前のことですが、お店を続けるのは簡単ではありませんでした。
    
数年にわたって「本のソムリエのように、立ち寄った人にぴったりの内容の本を勧めたい」「雑誌のように毎月テーマを決めて、本を紹介しよう」「本の情報を、もっと多くの人が日々の生活に役立てられるようなお店を作ろう」と企画を温め、駅近で物件を探し続け、やっとの思いで「知恵の木」をオープン。
当時は、張り切っていました。
ただ、最初から本の売り上げではお店を維持できないとわかっていたので、お店の経営と編集・ライティングの仕事を掛け持ちすることは決めていました。

数カ月がたち、身をもって経験したのです。「1人ではやっていけない」と。

お店の家賃など固定費を払うために、編集・ライティングの仕事を増やすと、お店を休まなければいけないという状況に。
これでは、なんのためにお店を開いたのかわかりません。

そもそも最初の企画の段階で、独りよがりではなかったのかと悩み始めることにもなりました。
    
何か違った切り口が欲しいと考えて生まれたのが、生業をつくる企画会議「市川で暮らしと生業をつくるLab(クラナリラボ)」でした。

私と同じように独りよがりの一人ぼっちで仕事が軌道に乗っていない人や、新しいことを仕事として始めたい人が市川市内にいるなら、数人で集まって企画を考えようと思ったわけです。

こうしてクラナリラボのワークショップを開催。
2回やり終えた段階で、思ったのが「あえて答えを出さないほうがいいかも」ということ。
年齢や職業が違う人同士の会話の中から、共感や違和感、驚きを覚えたり、住んでいる町のことを掘り下げて考えたり、私自身、さまざまな「気づき」がありました。
それで、企画にgoかstopを出す答えよりも、たくさんの人の対話で生まれる一人ひとりの気づきのほうが、暮らしと生業をつくるうえで役立つのではないかと考えたのです。

暮らしも生業も誰かに寄りかかって、べったりと依存するのはそもそも間違いだけど、1人ではやっていけません。
そしてよほどの天才でなければ、たった1人の「ひらめき」「熟考」は独りよがりの域を脱せないでしょう。

いざというときに頼りになる人を見つけ、答えを急がず、気づきを重ねる。
今後はそんな修行のような活動を、ウェブマガジン『ライヴリィ』の制作を通じて行っていきたいと思っています。
また空っぽに戻った



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