性教育よりも大切な子どもへの言葉がけ

「性器を触る癖がある子どもには、どのように親は対処したらいいのか」というテーマで、精神科の明橋大二医師に取材したことがありました。
明橋医師は親が「汚い! 触ったらダメ!」と注意するのではなく、「大事なところだから、きちんと手を洗ってから触ろうね」と語り掛けてくださいとのこと。
性器も子どもの体の一つ。体の一部に向かって「汚い」という言葉を親が発することで、子どもは自分の体全体が汚いと否定されているような気持ちになるようです。
また、性に関することでも「汚い」「ダメ」という表現によって、大事にしなくてもいいとメッセージを送ることにつながるかもしれません。
明橋医師は子どもの援助交際や不純異性交遊について言及していました。
性教育によってセックスで妊娠する可能性があることは、子どもたちはじゅうぶんにわかっている。しかし、性教育をみっちり行っても援助交際や不純異性交遊の抑止につながっていない。それはなぜか。
子どもたちの自分の体に対する肯定感が低いから、性に関することも含めてぞんざいに扱っているのだ。
性器を含め自分の体は大事。
性は妊娠や出産に関係することだから大事。
そんな思いがあると、子どもたちは性を含め自分の体をもっと大切にするようになる。
……このような話でした。
「大事にしようね」「大切だよ」と語りかけるか、「汚い」「ダメ」と語りかけるかで子どもに刷り込まれるイメージは大きく変わるわけです。逆に親についても、子どもに語り掛ける言葉が「大事」「大切」だったら、声を荒げたり嫌悪感をにじませたりすることもないはずです。
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明橋医師の著書を読んでいると、はっと気づかされることが多々あります。
例えば、子どもにキレてしまうとき。
明橋医師は親が子どもに非現実的なことを求めているからと指摘しています。子どもは自己中心的だし、失敗するし、言うことを聞きません。それを大前提にするとキレている自分がアホらしくなりますし、「キレても意味がないから、どうしたら私の話に耳を傾けようとするか考えよう」と別の発想も湧いてきます。
明橋医師に対して「理想論で現実的ではない」「親が子どもの奴隷になる」というような意見もありました。
確かに、私も明橋医師の著書に書いてあることなんて全然実行できていなかったのですが、できる範囲で心がけていました。
育児書全般に言えるのですが、「子どものために、書いてあることを全部を実行しなければいけない」と縛り付けると「不可能」「奴隷」みたいな極端な結論を出してしまうのではないでしょうか。子どもの抱っこが身体的につらければ、ハグでいいと思います。仕事で忙しいときには、子どもをせかす場合もあるでしょう(ただ、仕事をがんばり過ぎていないかの見直しをしたほうがいいかもしれません)。
「子どもが絶対」ではなく、そのときどきの優先順位で、柔軟に子育てができるといいですね。「子が宝なら、母親も宝」と明橋医師は語っています。




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