「これからの人生で、今日の私がいちばん若い」だから母ちゃんは起業することにした

年を取れば取るほど、新しいことをするのが怖くなるのが人間という生き物ではないでしょうか。
40~50代になると「今の自分に満足しているわけではないけど、しかたがない」「介護や教育、老後にお金がかかるから、がっちり貯蓄しておいたほうがいい」などと守りに入りがち。
少なくとも私は、守りに入りたいと思っていました。
その一方で、「挑戦するなら今」という焦りも抱いてきました。
年々、体力も気力も落ちてきたことを実感しているからです。

守りと焦りから、「お店を持ちたい」というブログを書いたりサイトを作ったりして、お茶を濁してきました。
物件を探しながらも「希望の物件がない」という結果に安心していたのです。

ところが、家賃はまあ厳しいのだが、がんばればなんとかなるかもしれないし、ならないかもしれないという微妙な貸店舗が見つかってしまいました。
不動産会社に話を聞き、2回内見をして、「これまで探してきた結果を考えれば、この物件に決めるしかない」と結論が出ました。
それなのに、まだ悩んでしまうのです。
悶々と眠れぬ夜を過ごしていたところ、背中を後押しするような出来事がありました。

1つは、私の息子の作文。
以前のブログ「『読書で国語力が上がる』と期待せず、子どもには楽しく本を読ませてほしい」で書いたとおり、句点がメチャクチャの作文を書いていたのです。
日本語のルールを覚えるのに学校の勉強では足りないが、進学塾ではレベルが違うし、教えてくれる場所がないならプロのライターである私が気合を入れて教えるしかありません。
のび太くんタイプの息子は、自宅で教えても甘えが出てグダグダになるので勉強するための場を作る必要を感じていました。
また、息子以外にも作文が苦手な子どもたちに作文を教え、考えが伝わる文章が作れる段階まで引き上げられるのは編集者としてキャリアを積んだ母ちゃんライターの私だろうと思っています。

もう1つは先輩ライターの話。
ベテランになるほど、依頼が減ってきたと話していました。
編集者時代の私にも思い当たることがあります。
原稿の良しあしよりも、頼みやすさをつい優先して原稿を依頼していたからです。
編集者は目上の人よりも、同世代の仲よしライターに依頼をするというわけです。

別の先輩ライターからは、「もっと若い頃に、いろいろとチャレンジしていたらよかった」とも。
仕事の幅を広げていかなければ、ライターというのは先細りの職業かもしれません。

仕事とファッションは似ている面もあります。
タイトルの「これからの人生で、今日の私がいちばん若い」は、ある著名なスタイリストを取材しているときに出てきた話題です。
多くの女性が、「この服はまだ着られるから、取っておこう」「やせて昔の体形に戻ったときに着るために、取っておこう」と服が捨てられず、クローゼットをパンパンに膨らませているのだそうです。
そして大量の服から今の自分に似合う服を見つけるのが大変で、気分が落ち込んでしまうとのこと。
これからの人生で、今日の私がいちばん若いのだから、今、似合う服が1年後の自分にも似合うわけではない。
ましてや若い頃の服なんて、1年後に着やしない。

仕事についても、昨年と今年、今年と来年とでは私自身が年を取っていくから、同じ仕事ができるわけではありません。
周囲の扱いが変わっていくのも自然な流れ。
私はサラリーマン編集者だったので、自分の年齢に無頓着でも仕事ができていただけなのです。

失敗するような起業にチャレンジできるのも、これからの人生の中でいちばん若い今の私しかないのかもしれません。

ここ数年では「ママ起業」「プチ起業」などと子どもを持つ女性の起業が話題になっていました。
こうした起業に対して「趣味の延長」「ぬるい考え」「ビジネスとして甘い」などと冷ややかな目で見る人もいるようです。
私自身が起業に悩んでいたのは、自分の計画がぬるくて甘いのではないかと自信がなかったからでした。

それがここに来て、思いました。
趣味の延長でなにが悪い。
ぬるくて甘くても、厳しくてつらくても、うまく行くときはうまく行くし、行かないときはさっぱりダメ。
自分でビジネスを始めなければ、なにもわからないのです。
成功・失敗は問わず、「ママ起業」「プチ起業」に取り組んだ女性たちを私は尊敬します。
そして将来、「あのときチャレンジした自分」を尊敬できるように、お店を持つことに決めたのでした。
4月オープンを目指して、作業を進めていきます。

この通り沿いにオープン予定