子どもの口癖「面倒くさい」について考えた

我が家の子どもたちは、よく「面倒くさい」と口にします。
「面倒くさい」と言われるたびに、私はムカッときます。
先日もムカッとしていたのですが、そもそも「面倒くさい」とは何を指し示すのかについて気になりました。
勝手に私なりに考えてみました。

「面倒くさい」は、「面倒」に「~くさい」という接尾語がついた言葉。
■面倒
まず、「面倒」をネットの国語辞書で調べました。
三省堂ウェブディクショナリーによると、以下の意味。
(1) 〈ダ〉 わずらわしいこと. (派)(~)がる 
(2) 世話. ▼~を‐みる(かける)

goo国語辞書では、以下の意味。
[名・形動]
1 手間がかかったり、解決が容易でなかったりして、わずらわしいこと。また、そのさま。「面倒な手続き」「面倒なことにならなければよいが」「断るのも面倒だ」「面倒を起こす」
2 世話。「この子の面倒をお願いします」
3 体裁がわるいこと。見苦しいこと。また、そのさま。

そして、次の説明もありました。
◇「面倒」は気分としてわずらわしいという意が強いのに対し、「厄介」は事柄そのものが手間がかかってむずかしいというときに多く用いられる。「ごはんをたくのが面倒だから店屋物にしよう」「面倒がらずに辞典を引こう」では、ふつう「厄介」は使わない。

以上から、「面倒」「わずらわしい」「厄介」は共通して、嫌な気分や疲労感を引き起こす物事に対して使われる言葉と考えられます。
ただ、私個人としては語感が異なります。
些細なことには「わずらわしい」を使いますが「厄介」は使わないのではないかと。
単なる嫌な気分から重い疲労感に物事の重大さが上がるにつれて、次のように使われていると思います。
○わずらわしい
気に障る、イライラする、うるさい、(作業などが)細かい
(例)ブンブンと飛び回るハエがわずらわしい
(例)うわさ話など近所付き合いがわずらわしい
○面倒
疲れる、気力・体力を必要とする
(例)ハエをハエたたきで退治するのは、面倒だ
(例)近所付き合いで回覧板を回したり、溝掃除したりするのが面倒だ
○厄介
困難さや複雑さを克服しなくてはいけない、ちょっとしたトラブルが伴う可能性がある
(例)ハエたたきに、つぶれたハエがべっとりくっついて、取り除くのが厄介だ
(例)近所付き合いで集金した寄付金の合計が合わず、厄介なことになった

重大さについては、わずらわしい<面倒<厄介、ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

■~くさい
goo国語辞書で以下の説明がありました。
接尾語として、そのようなにおいがする、そのような雰囲気があるという意味で使われる。また、語調を強くして、いかにもそんな感じがするという意を添える。

「~のような」「~みたいな」「~らしい」「~っぽい」などが、「~くさい」の類語になるでしょうか。
「~くさい・・・」の「・・・」、つまり形容される言葉に対して好意的であるかないかで、上記の接尾語を使うケースが異なると思います。
○~くさい
「インチキくさい話」「うさんくさい人」「青くさいガキ」というように、使われる状況としてはまったく好意的ではありません。
○~のような、~みたい、~っぽい
使われる状況はニュートラルで、状況をただ表現しています。
しかし、「~のような(みたいな、っぽい)・・・」で、~と・・・とは正反対の言葉が置かれます。「子どものような大人」「水のような酒」「大人のような子ども」「素人みたいな芸人」などの用例があります。
○~らしい
「~らしい・・・」の場合は、~と・・・は共通性のある言葉が置かれます。「子どもらしい発言」「女性らしい振る舞い」という具合に、好意的でそれが望ましい状況のときに使われています。

例えば、子どもが無邪気な言葉を言ったときに「子どもらしい発言だね」と言いますが、「子どものような(子どもみたいな、子どもっぽい)発言だね」とは言いません。
後者は、大人が無邪気で、しかも無責任な印象もある言葉を発したときに使います。
そして「~くさい」については、もはや「子どもくさい」ではなく「ガキくさい」「乳くさい」となります。相手をバカにしたようなニュアンスも加わります。

子どもたちの「面倒くさい」発言から、母として私は上記のような考察をしました。
その後、子どもから「面倒くさい」発言が出るたびに、私は「何に対してそう思うのかな」「果たして、どのくらいの労力がかかるのかな」「本当に『面倒』なのかな」「単なる気分の問題かな」と問いかけるようになりました。
すると子どもたちは黙って、嫌そうな表情を見せます。
私は「とても面倒くさいお母さん」に違いありません。
「そんな母ちゃん」と思って、あきらめてね