『作文嫌いの子どもに3日で読書感想文を書かせる方法』という本を作っています

見守る・褒めるだけでは
意味がない
小学校入学を機に子どもたちには、新たな要素が生活に加わります。
それが勉強。
読む・書く・計算することを学ぶようになります。

入学した時点で、子どもたちの中には勉強面で困ったことが起こるケースがあります。
文字を書くのが遅いので、ノートが真っ白。
字がぐちゃぐちゃで、なにを書いたかわからない。
音読が苦手。
自分の課題に集中できない。
宿題が終わらない。

読む・書く・計算することに、子どもたちがまだ慣れていないからかもしれません。
見守っていればいいと思う親もいるでしょう。

しかし、2年生になっても3年生になっても、読む・書く・計算するが非常に苦手な子どももいます。
普段の生活を見ていると、普通におしゃべりするし、話すことは子どもなりの筋が通っている。
ゲームはやるし、マンガも読む。
友達づきあいも活発。

そんな子どもの様子を見ると、教師も親も「本人が怠けているだけだろう」とつい思ってしまうことがあります。
親については次の3つのタイプが多く見られます。
1 「本人のやる気さえ出れば大丈夫」と見守るタイプ
2 「やればできるんだから! あなたはできるのよ」などと褒めて伸ばそうとするタイプ
3 「なぜやらないの?」「どうしてできないの?」「できるまで繰り返しなさい」と厳しく接するタイプ

この3つのタイプに共通するのは、子どもたちにはなんの効果も与えられない接し方をするということです。
本人にやる気がないわけではなく、どうやって読んで書いて計算すればいいのか、通常の授業ではわからないからです。
子ども自身がわからないことに対して、親が褒めても厳しくしても意味はありません。

最悪なのは、「もう、やらなくていい」と教師や親が子どもの作業を中断させることです。
子どもが傷つくという面だけでなく、「できない課題はやらなくていいんだな」と、ある意味、勉強をサボることを肯定する面があるからです。

親の理解で
子どもが落ち着くこともある
私自身が、3 「なぜやらないの?」「どうしてできないの?」「できるまで繰り返しなさい」と厳しく接するタイプの親でした。

息子が1年生のときに、「黒板の文字を連絡帳に書くのがとても遅いので、自宅でも練習させてください」と私は担任教師に言われました。
それで、連絡帳に書いた文章を別の紙に何度も書くという練習を息子にさせました。

当時、私は出版社で編集者として働いていました。
自宅に仕事をたくさん持ち帰っていたため、字を書くのが遅い息子の様子を見て、イライラしていました。
そのときは、どうして書けないのかが私にはわかりませんでした。
息子に厳しく接するしか能がなかったのです。

息子は2年生になってからも、黒板の文字をノートに書き写すのが遅いままでした。
新しく担任になった若い女性の教師は、息子に「もういい」と言って作業を中断させていたとのこと。

この時期に、息子の様子が大きく変化しました。
さまざまな変化の中で一番気になったのが、爪を噛んでむしる癖ができたことでした。
息子の爪は通常の半分程度まで小さくなってしまいました。

「息子に対する私の態度は間違っていたのではないか」と私が気づいたきっかけは、発達障害の専門家を取材したことでした。
息子は学習障害の一種ではないかと思うようになったのです。
この視点で息子の勉強面を見直すと、得意な作業と不得意な作業がはっきりと分かれていました。

「もっと早く私が気づけばよかった」と、後悔しました。
私が理解を示すことで息子の様子が落ち着き、元の素直でやんちゃな状態に戻ったからです。
そんな情けなさや反省、教育機関との相談などといった私の経験、加えてプロの編集者・ライターとしての技術を、『作文嫌いの子どもに3日で読書感想文を書かせる方法』という本にまとめようとしています。

多くの人が、「3日で原稿用紙3枚分を子どもが書くなんて無理だろう」と思うかもしれません。
実は逆で、読字や書字などが困難な子どもには、親が「3日で終わらせる」という気合を持って必要な手助けを行わなければ、読書感想文が完成しないのです。

今は苦手な作文を
将来は武器にする
過去のブログにも書きましたが、作文を書ける力があれば、ほかの教科が苦手でも進学したり就職したりするチャンスが生まれます。
ですから、学習障害の可能性がある子どもたちには、「作文力」を早いうちから養ってほしいと思います。
すべての教科で学力アップを目指すよりも、得意科目に絞って作文ができるようになるほうが現実的だとも考えています。
虫に興味を示す理科が好きな子どもには虫だけ、野球チームに所属している体育が好きな子どもには野球だけ、作文のテーマを限定して内容を掘り下げ、文章を作るということです。

字が読めない・書けないからといって、子どもたちは勉強ができないわけではありません。
物事に興味を持ち、理解する能力があっても、読む・書く能力がついてこないので、紙と鉛筆で行う小学校のテストの点数が上がらないだけです。
手段を変えれば、勉強がぐんぐん進む可能性は高いのです。

私自身、子どもにWhy?ではなくHow?と問いかけていきたいと思っています。



Powered by Blogger.